鋼鉄ソルジャー ガルネリウス

某ヘヴィメタルバンドを戦隊ものにしてみました。実際の団体や人物に似ていても一切関係ないただのお遊びです。

Under the Force of MUNAGE 第4話

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ゆっくりとした時間が流れる、喫茶ジェロ。そこでブルーとピンクがひとときの休息の時間をとっていた。

青「俺たちいつまで戦隊続けるんだろうか。」
桃「ブルーはやっぱりやりたくない?」
青「うん…いい歳してこれはちょっとね。」
桃「そんな事言わないで。僕が骨折してた時に、キーボードで弾きにくかったフレーズを、ブルーが手伝ってくれた事…忘れないよ。ブルーは大切な仲間なんだ。」
青「そうか…そう言ってくれてありがとう、ピンク。」

報われないと分かりつつブルーのピンクへの想いは募っていくのだった。

 

時は変わり、舞台は再び戦場へ。ガルネリウスたちは悪の組織と戦いをしている。その戦いの最中の出来事であった。

悪「今日こそ禁煙をしてもらおうガルネリウス」
赤「そうは問屋が卸さな…」

とレッドが言いかけた瞬間、眼前に立ちはだかるのは何とジェロであった…!

ジ「私を倒してから言いなさい」
一同「ジェロ!どうしてそこに⁉︎」
ジ「まだ気づかなかったのか?私は出会った時から君たちの禁煙を目論んでいたんだよ」

彼の正体はガルネリウスを禁煙させるために派遣された刺客だったのだ!そして、ガルネリウスたちに近づき、戦いの中に紛れて禁煙させようと来る日も来る日もその機会を待ち続けていたのだった。

赤「ジェロ…!」
桃「な、何があったんだ一体!」
青「ジェロが言っても禁煙はしないよ!」
緑「どうしてこんなことに!」
赤「信頼していたのに…あの夜語り合って戦い続けることを誓ったやんか!」

あまりにも突然の裏切り。まさかこんな日が来るとは。想像だにしない現実に5人は我を失う。心はさまよい、背徳の渦は蠢き、漂う意識、言葉さえも失っていった。

黒「(…と大げさに言ってるけど、ジェロに禁煙勧められたってだけだけどね。)」

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Under the Force of MUNAGE 第3話

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明日をも見えぬ不安の中で、5人は旅を続ける。その途中、全席喫煙可能の喫茶店を見つけた。昭和の雰囲気漂うレトロな店である。

赤「あんな所にタバコ吸えそうな店発見」
緑「またホイホイかもしれないから疑ってかかったほうがいいよ」
青「あーもーめんどくさいから入ろうぜ」
一同「入ろう入ろう」

店に入って一服する5人。今回はガルネリホイホイではなかったようだ。一通り一服すると、喫茶店のマスターが話しかけて来た。

マスター「君たちは鋼鉄ソルジャーガルネリウスでは?」
赤「そうだけどどうして知ってるの?」
マスター「悪の組織と戦っているという話を聞いているよ。」

それが、その男との出会いだった。男の名はジェロ。白髪まじりでにこやかな男だ。そして、彼はガルネリウスたちに柔和な口ぶりで語りかける。

ジ「ピンク、悪の組織と戦う時は美旋律アタックを使用した方がいいよ。」
桃「ん?そうなの?やっぱり?」
ジ「悪の組織は美しい旋律に弱い事が分かっている。あと、ブラックは、さわやかをもっと前面に出した方がいい。」
黒「…(このさわやかさでもまだ足りないと言うのか)」
ジ「そして、グリーンよ、ツーバス攻撃はBPM が高いほど攻撃力が高いが自らの首を締めることにもなる。攻撃に最適なBPMを知っておく事だよ。」
緑「了解!」
ジ「レッドよ、君はピンクとペアを組んでのソロまわし攻撃、シヴァマロッソの腕を磨け。美旋律の応酬のパワーは絶大だ。」
赤「(やっぱり俺にはピンクが必要なんだ)」

ジェロは何故か戦隊としての彼らの能力を熟知しており、戦い方を指南してくれる。

赤「あの男、何者なんだろう…とても俺たちの事をよく知ってくれている」
青「俺のソロライブでは、物販コーナーですべての商品を着て登場してくれたよ…一体何者?」
黒「(うん、物販コーナーは面白かったね)」
緑「いつもニコニコしていて、一緒にいると幸せな気持ちになるよ」

それからというもの、ジェロは5人の傍らで常にアドバイスをくれたり、見守ってくれたり。
ツアー中、ある時はスーパーテック。またある時は機材車ジェロ号のドライバーとして大活躍。

5人は次第に彼に対して全面的な信頼を寄せるようになっていった。
ある晩は5人とジェロで語り合った。来るべき未来のために迷いなく戦い続けることを改めて誓った夜であった。

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Under the Force of MUNAGE 第2話

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やっとの思いで見つけた喫煙所は、悪の組織 全日本禁煙協会が仕掛けたワナ、ガルネリホイホイだったのだ。
悪「またもや引っかかったな、ガルネリウス!今度という今度は禁煙をしてもらう」
赤「いつもこの展開だ。悪の組織!みんな変身だ!」
青「えーまたやんのー?やだよー疲れるし」
桃「ブルーしょうがないよ、一服したいんだろ?」
黒「…(戦わないと一服出来ないとか、どうよ)」
緑「みんながんばろうよ」
赤「ちょ〜、みんな変身するぞ!」
一同「おー!」

5人は、おっさんから鋼鉄ソルジャーガルネリウスに変身した!

緑「無限ツーバス攻撃❗️」
悪Aをやっつけた!
黒「ドSのSはさわやかのS・サディスティック・スマイル❗️」
悪Bをやっつけた!

桃「テンプテーション・スルー・ザ・ナイト❗️」
…しかし何も起こらなかった!
赤「何やってるんだよーピンク、それは料理の技じゃないか」
桃「あれ〜そうだったっけ?」
赤「しょうがないなぁ、俺がやってやるよ。
クライングスター・レーベル・改❗️」
悪Cをやっつけた!
悪の組織の一味をやっつけた!

青「俺の出番なし。みんなかっこいいな。俺は袖でミルクティーでも飲んでよっと。」
桃「ブルーばっかりずるいよ〜」
青「ピンクも飲む?」
桃「え!いいの!わーい」

ブルーとピンクがいちゃいちゃしている横で、レッドが深刻な顔をしている。

赤「戦いはいつまで続くんや。」
緑「この戦いが終わって、みんなが安心して喫煙できる世の中になるといいね。」
黒「(禁煙すれば戦いは終わる…なんてとても言えない)」

一寸先は闇である。極めて先の見えない、そして長い戦いになるであろう。消えない虚像にもだえながら、ただ、悲壮の大地へゆく。

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Under the Force of MUNAGE 第1話

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そもそも人間とは何の為に生きるのだろうか。これは、未知なる巨大な力を胸に秘めた男たちの物語である。
 
青「路上は禁煙だし、喫煙する所がないなぁ」
桃「何処もかしこも完全禁煙。」
緑「たまに喫煙所を見つけるとガルネリホイホイだったりするんだよね」
黒「…(どうせまたホイホイに引っかかる展開になるんだろうな)」
赤「なぁ、俺らこんな境遇に甘んじていいんか、喫煙者っちゅうだけで差別されて不条理やと思わへん?」
 
喫煙所が少ない、喫煙者は隅に追いやられている。何故この世界はこんな不条理なのか。
5人に禁煙を迫る悪の組織、全日本禁煙協会。彼らの魔の手は間近に迫っている。引き返す事は許されない。ただ、戦いを選びゆく
 
赤「あ、あそこに喫煙所があるやんか」
緑「またガルネリホイホイじゃないのか?」
青「あーもー何でもいいよ、行こう行こう」
一同「行こう行こう」
悪「(ファッファッファッ!毎度毎度引っかかる、たやすい奴らめ)」
 
またもや悪の組織のワナにハマり戦いを余儀なくされる、数奇な運命に翻弄される5人。ただ、迷いなく、天高く剣を掲げ、眼前の敵に挑み続ける。
 

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ドジっ子ピンクのバレンタイン

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ガルネリピンクは自宅キッチンにてチョコと格闘中。

桃「明日はツアー初日だけど、バレンタインデーだから、みんなにチョコケーキを焼いてあげるんだー」
猫「にゃーん」
桃「今は忙しいから構ってあげられないんだ」
猫「にゃ〜〜ん」
桃「あああ、やめろぉ〜〜……」
(もふもふ〜)
(焦げた匂いがプーン)
桃「あああ!しまった!……あああ、黒くなっちゃった。……ま、いっかチョコとは黒いものだし。」

 

翌日、ガルネリは大喝采の中ライブを終え、楽屋でマッタリ。
赤「じゃーん!SYUスペシャル・クライング・シュナッパー・チョコレート!」
一同「スゴい!美味しそう!」
赤「今日はバレンタインデーだからね。元ロイホ店員としてはこんなもんよ」
黒「(レッドは何をやらせても出来る男だ…)」
緑「ファンからの差し入れもチョコレートいっぱいだよ、美味しそう!」
青「チョコレート味ういろうなんてあるんだ」
桃「(こんな美味しそうなチョコだらけの中、僕のチョコケーキとか出しにくいな…)」
赤「ピンクの横にある箱は何?誰からの?」
桃「あああ、こここれ?実は…焦がしちゃって…」
ピンクがチョコケーキの箱を開けると、
桃以外「??炭ケーキ?」
 
桃「ウワーン!失敗したんだよう」
緑「す、炭だけど、きっと美味しいよ」
ここで側にいたマスタージェロが一言。
ジ「ピンク、技を使ってごらん、君の気持ちがみんなに伝わるから」
桃「技?ん………
   テンプテーション・スルー・ザ・ナイト❗️」
炭ケーキが光を放ち、美味しそうなチョコケーキに変身した!
一同「美味しそう!」
緑「ピンクすごいや!」
黒「(こんな技使ってズルイ)」
赤「俺の女子力……負けた。」
青「俺、手作り『風』チョコなら得意だけどな。手作り風なだけで手作りじゃない。」
ピンクのメンバーを思う気持ちが、奇跡を起こした。ガルネリウスたちはライブ初日を笑顔で終えることができたのだった。
(終わり)

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第6~最終話

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果たして、ガルネリブルーからどんな技が繰り出されるのだろうか⁉︎
青「ムナ………あれ?技が出せない!何で?」
悪D「ふっ、技が出せずにいるのか、禁煙を勧めたい本命はお前だ、観念しろ!ガルネリブルー!」
青「もーヤケクソ!レイズマイソー‼️」
悪D「ああああー!なんというクリアハイトーン✨か、体が痺れる!ヤラレタ〜」
ガルネリブルーは悪Dをやっつけた!
ガルネリウスは悪の組織の一味をやっつけた。
 
戦いは終わった。ガルネリウスたちは喫煙の権利を守り抜いたのだった。
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白髪混じりのにこやかなマスターのいる喫茶ジェロ。そこにブルーとピンクがいた。
青「俺だけとっさに技が出せなかった。もう、この歳で戦隊とか、疲れるからイヤって言ってるのに。」
桃「なに言ってんのブルー。ブルーがいないガルネリなんて、クリープの入ってないコーヒーのようだよ。失敗してもキニスンナ」
青「ピンク、ありがとう!ネタは古いけど。」
ピンクとブルーの間に恋の予感が…。
 
時は流れて、レッドとブルーが2人きりになったある日の喫茶ジェロ。気まずい空気が流れている。
赤「ブルー、最近ピンクとやけに仲がいいやんか。ピンクのソウルメイトは俺なんや。SYUKINENの邪魔をせんといて欲しい。」
青「それって何、嫉妬?」
赤「なぬ〜⁉️」
レッドは拳をあげる、ブルーもすかさず応戦!
2人は殴り合い蹴り合い、わちゃわちゃに。
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ピンクを巡ってレッドとブルーが対立し、ついに殴る蹴るのケンカを始めてしまった。
そこにガルネリの他のメンバーが駆けつける
黒「おい!また骨折するからやめろ〜」
緑「ケンカはやだよー。前のグリーンが抜けた時に『お前しかおれへんやろ!』って言ってくれたレッドじゃないか!仲違いなんて俺の大好きなガルネリウスじゃない!」
赤・青「……!」
赤「…ピンクとはずっと一緒にやってきた。ブルーよりもずっと長く。気持ちは負けない。」
青「俺だって……」
赤「ピンクはどうなん!」
桃「レッドもブルーも大好きだけど、一番好きなのはウチの猫ちゃんかな。」
赤・青「なぬ⁉️」
赤「あーあ。フラれたー。」
青「わはははは〜。何やってるんだ俺たちは」
赤「もう、アホなことやってたよ」
青「あああ、青の衣装がボロボロだ。」
ほのぼのとした空気が5人を包み込んだ
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レッドとブルーが対立したが、同じ仲間同志、絆を確かめ合ったのだった。
青「あああ、青の衣装がボロボロだ。」
…と、青の衣装を脱いだ瞬間、まばゆい閃光❗️
一同「眩しい!」
封印された大技が、解き放たれた瞬間だった
青「こ、これがガルネリングファイヤー⁉️」
赤「すごいじゃないかブルー!」
青「あ、ああ…」
緑黒桃「俺たち凄いボーカリストと一緒にバンドやってたんだな…。」
喫茶のマスタージェロがゆっくりと語りかける。
ジ「そう、これがガルネリングファイヤーだ。選ばれた者にしか効かないが、効いたら即死の効果もある大技だ。これを体得したブルーは世界レベルのボーカリストと言えよう」
赤「そうだ、俺たちは世界を目指そう!鋼鉄ソルジャー…」
一同「ガルネリウス!」
行け!世界へ!鋼鉄ソルジャーガルネリウス!
(終わり)
 
ーーあとがきーー
ステージではアレを見せなかったのに、袖に引っ込んで露出するとかズルイ、という小野ソロ最終日の出来事と、がるもんさんの炎のgifから触発されたお話は以上となります。デーモン閣下とラスボス編とか思いついたら、またアップさせて頂くかも? お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。楽しかったです〜💕

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