鋼鉄ソルジャー ガルネリウス

某ヘヴィメタルバンドを戦隊ものにしてみました。実際の団体や人物に似ていても一切関係ないただのお遊びです。

鋼鉄ソルジャー・出会い編 前編

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飲み屋街の一角にあるお店、とり天植田。ピーク時には行列が出来るほどの人気店である。

しかし今日は店の扉に貼り紙がある。
「事情によりしばらく休業します 店主」
それを見て、がっかりして引き返す客が絶えない。

とり天植田の店主、ガルネリ・レッド。彼は客のいない店のカウンターで一人うなだれていた。
ガラッと店の扉が開く。ガルネリ・ピンクだった。
桃「レッド!今日も休業なの?心配でたまらないよ、大丈夫なの?」
赤「ありがとう、ピンク。…でも……」
彼らのバンド、ガルネリウス。そのバンドからボーカルとベースが脱退してしまったのだった。ショックで、すっかり元気が無くなってしまったレッド。とても、店をオープンする気力が起きないらしい。

店の前から大きな声がする。

男「まぁた休業だと!いい加減にしろよゴルァ!」
桃「⁉︎」
タチの悪い酔っ払い男がやって来たらしい。休業の貼り紙を見て難癖つけ始める。
赤「申し訳ありません。しばらくお休みしますので」
男「せっかく来てやったのによ〜!」
酔っ払いは扉を叩きつけるわ、レッドの胸ぐらを掴むわ、暴力を振るい出した。
ピンクは警察に通報するも、酔っ払いは周囲の通行人にも暴力を振るい始めた。
レッドが止めに入るが、かなわない。

青年が通りがかる。細身でスタイルが良く美しい青年である。彼は、酔っ払いに対して自らの開襟シャツを開いてみせ、必殺技を繰り出す!
青「ファイヤー❗️」
男「目が…!」
酔っ払いの目がくらみ、うずくまったところに警察が到着し、事態は収拾した。

赤「ほんま、助けてもろて、ありがとう!」
青「いえいえ。」
赤「どこかでお会いした事ありましたっけ。どちら様?」
レッドは青年に見覚えがあるのだが、思い出せない。
青「すまない、急ぐんだ、失礼。」

青年は何者かに追われているようだ。その場をすぐに立ち去ってしまった。

赤「なんてお人なんだ…!あの必殺技…!俺たちの戦隊に入って欲しい!」
その一部始終を見たレッドはすっかり青年の姿が目に焼きつき、頭から離れなくなってしまった。
赤「でも、どこで見た事あるんだろう。」

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