鋼鉄ソルジャー ガルネリウス

某ヘヴィメタルバンドを戦隊ものにしてみました。実際の団体や人物に似ていても一切関係ないただのお遊びです。

ブルーの過去

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がるもんさんが書いてくれたストーリーです。こちらに貼らせていただきます。
実在の人物に名前や性格が似ていても、団体名が何かにそっくりでも、それは気のせいであって、一切関係ありません。

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ここはとある歓楽街。
目も眩むようなネオンより、ひときわ輝く一人の男がタクシーに駆け寄り、傘を差し出す。
彼こそがホスト界の生けるレジェンド、絶対王者、マサトシである。

 

マ「ようこそホストクラブ・ガルネリウスへ。足元お気をつけて」
客1「ありがとう、マサトシくん。年取ると足腰弱ってやぁね。ごめんなさいね、いつもこんなおばあちゃんばっかり来て」
マ「いいえ。いつもお綺麗ですよ」
客1「ホントに貴方は優しいわね。息子にしたいぐらい、いえ、孫かしらね。フフフ」


客2「ふぅ。一次会ですっかり酔っちゃったわ。今日はね、会社の後輩、連れてきちゃったの。社会勉強にと思って!
ほら、ユウキちゃん入って!ここはホストクラブといってもお茶とお茶菓子しか出ないから!」
ユ「先輩・・やっぱり私・・あの・・帰りま・・」
マ「いらっしゃいませ」

稲妻に打たれたように見つめあうマサトシとユウキ。

決して答えを求めてはいけない切ない恋が始まるとは、この時まだ2人は知らなかった。

雨脚が激しくなっていた。

 

互いに惹かれあいながらも迸る想いを言い出せないまま時は流れていた。

マ「ようこそホストクラブ・ガルネリウスへ。久しぶりですね」
ユ「こ、こんばんは」
マ「手のギプス・・どうされました?!」

思わず手を掴むマサトシ

ユ「あっ・・」
マ「すみません・・!痛いですか?大丈夫ですか?」
ユ「はい、びっくりしただけです・・ちょっと転んじゃって・・」

愛おしくユウキを見つめるマサトシ。

マ「フフッ。意外とおっちょこちょいなんだな」
ユ「もう、からかわないで・・!あ、あの今日はこれだけ渡しに・・」
マ「これは・・ネックレス・・僕に?」
ユ「はい・・気に入ってもらえるかどうか・・」
マ「ありがとうございます。素敵だな・・ほかのアクセサリーも見てみたいな。良かったらお店教えてくれますか」

数週間後、マサトシの部屋を訪れたユウキに同じネックレスが贈られた。

これがあれば離れていても繋がっているとそう信じて疑わない満月の夜だった。


お揃いのネックレスを着けて店の外でも会うようになったマサトシとユウキ。
しかし非情にも別れの時は近づいていた。

ユ「楽しかった。送ってくれてありがとう」
マ「それじゃ、おやすみ」
ユ「待って。部屋でお茶でも」
マ「・・今日はもう遅いから帰るよ」
ユ「・・どうして?どうしたの、マサトシ」
マ「彼を悲しませちゃいけない」
ユ「いつから知ってたの・・」

マ「君が初めて店に来た日から薬指のリングには気づいていた。許されないことだとも分かっていた。
・・でも、自分の気持ちを抑えられなかった・・」
ユ「ごめんなさい・・でも彼とはもう・・」
マ「・・帰るよ。君には幸せになってほしい」
ユ「どうして婚約なんかやめろって言ってくれないの?!そうしたら私・・!」
マ「・・」
ユ「・・何も言ってくれないのね・・分かった・・さよなら・・」

ドアを閉める音が固く響いた。

マ「さよならユウキ、ずっと愛してるよ」

マサトシの頬を涙が伝った。
あの日と同じ冷たい雨が降っていた。

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